「神は遠く離れてはおられない」 06.07.09
使徒言行録17:16〜34
真の神さまを知っている私たちは、自分が神さまの恵みに満ちた
働きかけをたくさん受けながら生きていることを知っています。
自分を恵みの中に生かしてくださる神さまへの、信頼と安心を
持って生きます。時には、不安や納得できない現実に出会うことも
ありますが、人間よりもずっと確かな知恵と洞察を持って、最善へと
導いてくださる神さまに信頼し、忍耐の中にも絶えず希望を持って
歩みを続けることができます。
偶像の支配の下にいるアテネの人々の姿に、悲しい人間の姿を
見て、パウロは、いても立ってもいられませんでした。偶像の下では、
信頼、感謝、希望をもって生きていくことができません。
アテネの町に多くの偶像が祭られていたのは、人々が神々を恐れ、
なだめようとしていたからです。「知られざる神」の像を祭るのも、
名前の分からない神を怒らせないためです。たたりを恐れ、迷信的な
しきたりに縛られることは、日本でもあります。しかし、そのような
神さまとの関係は、感謝も信頼も、忍耐も希望も生まれてはきません。
パウロは、創り主なる神さまを語ります。それは、命と息とその他
すべてを与えてくださる神さまです。神さまが、すでに、あなたに必要を
与えて、生かしていてくださる。この恵みの事実に目を向けさせます。
そのような神さまの働きかけを知ることが、人間にはどうしても
必要なのです。
それを知ることで、人は感謝と安心をもって生きられるからです。
しかし、アテネの人たちのように、恵みの事実に気付かなかったり、
恵みを見失って感謝を失うと、人は不必要な恐れに縛られ、迷信の
虜になります。 恵みを知り感謝をするのが、人間の神さまへの
向き合い方です。
神さまが私たちに与えてくださった最大の恵みは、主イエスの
十字架と復活による救いの出来事です。
その恵みに目を注ぐときに、人は神さまからの深い愛に
包み込まれていることを知らされます。
信頼を持って、喜んで、希望の中を進んでいけるのです。